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IT業界における元請けと二次請けとは?

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IT業界ではシステムの開発を発注する顧客がいて、それを受けるIT企業という構図が成り立ちます。お金を払ってくれる人と受け取る人の関係です。そして、プロジェクトを管理・統括する企業と実際の開発作業を行う企業という関係もあり、それぞれ元請け、二次請けと呼ばれます。では、元請け、二次請けというのは、具体的にどのような企業なのでしょうか?


顧客からの要望を直接請けるのが元請け


まず、元請けとは、顧客からシステムの発注を直接請ける企業のことをいいます。一次請け、直請け、プライムなどという言葉で表現されることもあります。図に表すと下のような関係になります。




直接注文を受けるので、顧客との打ち合わせや交渉を行います。実際に顧客と話をしながら、どんなシステムを構築するのかを聞き、その要望を仕様書にまとめたり、システムの設計を行います。顧客の予算とも相談しながら、納期に間に合うようにスケジュールを組んで、システム開発の全体を管理していきます。


大手の元請け企業であれば、大規模なシステムを受注することも多いです。官公庁や地方公共団体、大手企業のシステムなど、数か月から1年以上にわたる開発期間を要することがあります。このようなシステム開発を統括するためにチームで仕事にあたります。


システム開発を受注すると、全体の仕様を策定したり設計は元請け企業で行いますが、実際のプログラミングやテストなどは外部に発注して開発を依頼することが多いです。これがいわゆる二次請けというものです。


元請けからさらに仕事を受注するのが二次請け


二次請けのイメージは下の図のようになります。元請けが受注した案件について、プログラミングやテストなどを請け負います。




実際に本格的なプログラミングを行うのは、二次請け企業になります。プログラミング以外の大事な仕事としては、開発されたシステムが正常に動作するかを確認するためのテストを行ったり、運用や管理のためのマニュアルを作成したりします。元請け企業と打ち合わせを行って、システム開発の進捗なども報告します。



自社ですべてを完結させる企業も多い


IT業界の構造として、元請け、二次請けという構造が実際にあるのですが、一方でシステム開発のすべての部分を自社で行っている企業も多くあります。図にすると、下のようになります。顧客からシステムの開発を受注すると、顧客との打ち合わせやシステム設計も自社で行いますし、実際のプログラミングやテストも自社で行います。できあがったものは、きちんと納期に間に合うように納品します




実際に1つの企業で開発を受注し、設計からプログラミング、テスト、マニュアル作成、納品までのすべての工程を行う企業での、受託開発の流れを以下の記事で紹介しています。

 受託開発の仕事内容はどんなもの?7つのステップ

 受託開発の面白さ



また、独自のWEBサービスを開発している会社やパッケージソフトを開発している企業などは、顧客にあたる部分がありませんが、自社で企画を行い、設計やプログラミング、運用、保守をすべて自社で行っています。

 パッケージソフトを開発する企業の仕事内容と魅力



元請けと二次請け、どっちに入社するのがいい?


では、元請けと二次請けのどちらの企業に就職・転職するのがいいのでしょうか?給与面、福利厚生面、技術面から見てみたいと思います。

給与 元請けの方が高い給料をもらえることが多い。
顧客から直接受注できるので、多くのマージンを獲得できる。
福利厚生 元請けの方が充実している場合が多い。
元請けは大手企業のことが多いため、福利厚生面で充実している。
技術 元請け:プロジェクトの全体のマネジメント力や交渉力、仕様策定、設計、管理力などが身につきやすい。プログラムを書くスキルなどは伸びにくい。
二次請け:プログラムを実際に書くため、技術力が身につく。



いわゆる元請け企業は、大企業が多いため給与水準も高く、福利厚生面でも充実していることが多いです。高い給料や充実した福利厚生を望むのであれば、元請け企業の方が良い場合が多いです。安定している企業も多いですし、大手の信頼感というのもあります。


また、元請け企業では顧客からの依頼を直接請けますので、顧客との打ち合わせや交渉を行います。その内容をもとに、システムの仕様を決めたり設計を行います。いわゆる上流工程を担当することが多く、この辺りは二次請け企業でプログラマーをしているとなかなか担当することができません。


上流工程に携わりたいという理由で転職される方も多いので、二次請け企業でプログラマーを何年かやったらキャリアアップを目指して、上流工程を担当できる元請け企業に転職するというステップを踏むことを検討してみるのも良いでしょう。


一方、技術力の面で見てみると、大手の元請け企業は上流工程やシステム全体のマネジメントに徹することが多く、プログラミングを行う機会は少ないです。実際にプログラムを書いて新しいものを生み出したい、というような方には大手の元請け企業はあまり向いていないかもしれません。


コードを書いて仕事をしたいという人や、アイデアを形にしたいというような人は、まずは二次請け企業でプログラミングをしっかりやったり、上で紹介したような自社で上流工程から下流工程(プログラミング、テスト、マニュアル作成など)すべてを行っているような企業や、WEBサービスを自社開発している企業、パッケージソフトを開発している企業などに応募するのが良いです。


大手の元請け企業でSEとして働いている人が、プログラミング経験がないことを理由に、二次請け企業に転職するということもあります。システムの設計を行ったり、仕様を策定したり、顧客と打ち合わせを行うような場合には、やはりプログラミングができるという技術力があると自信をもって対応できるようになります。


IT系の企業を選ぶ際には、自分が何を望んでいるのかをよく考えると良いです。もちろん、給料が高い方がいいに決まっているのですが、仕事内容い興味が持てないとすぐに辞めてしまうことになりかねません。給料面や福利厚生面を考えつつ、設計や仕様策定、顧客との折衝などのシステム開発の上流をやりたいのか、それとも開発作業としてプログラミングをやりたいのか、それとも1社で全部を経験できる企業がいいのかを考えてみると良いでしょう。



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