パッケージソフトを開発する企業の仕事内容と魅力
プログラマーやSEが活躍できる企業として、パッケージソフトを開発する企業があります。パッケージソフト開発企業に就職や転職ができると、幅広い業務に携わる機会があり、エンジニアとして楽しく豊富な経験を積むことができます。では、パッケージソフト開発企業の仕事内容とはどんなものでしょうか?
パッケージソフトとは?
パッケージソフトとは表計算ソフトやセキュリティソフトなど、量販店でCDやDVDに入って販売されているソフトウェア製品や、特定の業種や業務に特化した汎用的なソフトウェアのことを言います。箱の中にCDなどのメディアが入っていて、インストールや操作方法などを記載した取扱説明書が入っていることが多いです。
有名なところではMicrosoft Office製品やウィルスバスターなどのセキュリティソフト、弥生会計などの会計ソフトがあります。他にも、イラストを作成したり写真を編集するようなソフト、CADや論文を管理するような専門性の高いパッケージソフトも存在します。また、自治体の業務で使われるような業務パッケージソフトや介護支援システム、人材管理システムなど、価格が数十万、数百万するような高額なパッケージソフトも存在します。
設計から開発、運用・保守、サポートまで幅広い業務
パッケージソフトを開発する企業では、ソフトの設計から開発、運用・保守までのすべての工程を自社内で行っています。パッケージ開発企業で働くプログラマーやSEは、設計部分と開発に携わるようなこともできますし、また運用や保守を担当するようなこともできます。転職することなく自社内ですべての工程を経験することができ、エンジニアとしていろいろ経験してみたいと思う人にとってはとても魅力的な職場です。
パッケージ開発において最初の段階である設計は、実際に使用するユーザーが使いやすいかどうか、便利かどうかを判断するのを決める重要な工程です。また、ソフトウェアの方向性を決めたり、プログラミングや保守のしやすさを決定する重要なフェーズでもあります。実際に使うユーザーと、プログラミングに関わる社内の人間の両方のことを考えて行う必要があります。
開発の工程では、設計されたとおりにプログラムを書いて、ソフトウェアが動くようにしていきます。プログラムが正しく動くようにし、不具合が入り込まないように作っていきます。
ユーザーがパッケージソフトを購入し、実際に使用するようになると運用フェーズに入ります。ユーザーのパソコンの中ですべてが完結する場合は特に何もすることがありませんが、サーバーとの通信が発生するような場合、サーバーの維持や管理などを行う必要があります。そのため、サーバーの知識やネットワークのスキルがあるエンジニアも活躍します。
ソフトウェアが問題なく動けば何の問題もないのですが、時には不具合が発生することがあります。プログラムにおかしなコードが紛れ込んでいることもあれば、OSがアップデートされることによって正常に動かなくなることもあります。そのような場合には、不具合を解消するためのプログラムを作成し、ユーザーに提供することになります。
パッケージ開発企業は自社でソフトウェアの開発を行っているので、当然自社でサポートを行います。大きなところだとコールセンターを持っているところもあります。小さなところでは、開発担当チームのメンバーがユーザーサポートも担当することがあります。
パッケージ製品の収益は主に3通り
パッケージ製品を販売し、売り上げを得る手段は主に以下の3通りあります。
(1)量販店や直販を通しての売り上げ
(2)企業から依頼を受けてパッケージ製品をカスタマイズすることによる売り上げ
(3)年間サポート費用による売り上げ
(1)はパッケージ製品そのものの売り上げになります。量販店で販売している場合は、一般のお客さんの購入が売り上げになります。また、WEBページなどで直販を行っている場合は、ユーザーが直接購入してくれることによって売り上げが立ちます。
一般に販売しているパッケージ製品というのは、多くの人が使えるように汎用的になっています。しかし、個々のユーザーレベルで見ると、必ずしもすべての機能がユーザーの環境に沿っているとは限りません。特に企業で使用する場合には、企業ごとに状況が違ってきますので、自社に合うようにカスタマイズしてほしいという依頼がある場合が多くあります。企業からのカスタマイズの発注があると、依頼内容に応じて売り上げが立ちます。これが(2)に該当します。
(3)の年間サポート費用による売り上げについては、セキュリティソフトを思い浮かべてもらえればわかりやすいと思います。私たちが普段使用しているセキュリティソフトは、1年間使って更新する場合には更新費用が発生します。更新費用やサポート費用も、パッケージ開発企業にとっては大事な収益源です。
この中でプログラマーやSEが主に関係してくるのが(1)と(2)になります。
バージョンアップの企画・開発
パッケージ製品は一度作ってしまってそれで終わり、というわけではありません。ユーザーからは「こんな機能がほしい」、「ここは使いにくい、不便だ」といった要望が多く寄せられます。
そのような内容を元にして、次のバージョンの企画を行い、バージョンアップした製品を販売していくことになります。
プログラマーやSEとしてパッケージソフトの開発企業に就職や転職をした場合には、パッケージ製品のバージョンアップの企画や設計、開発に携わることが多いです。
企業からの依頼でカスタマイズをする
上で解説したように、パッケージ製品だけでは足りない機能を追加してほしい、自社にあうようにカスタマイズしてほしいという依頼が企業から多く寄せられます。
ほんの少し機能を追加するだけのこともあれば、しっかり作りこむ場合もあります。ただ、ベースとなる製品があるわけですので、一から作るよりも作業量は少なくなり、納品までの日数も短くて済みます。カスタマイズを行っていく過程は受託開発のような流れと似ていて、依頼内容に沿うようにパッケージ製品をカスタマイズしていくことになります。
アイデアを出すことができ、採用されるとうれしい
自社で製品の企画・開発を行っているので、社内で次期バージョンの企画検討を行います。検討会議でアイデアを色々出していく中で、実際に自分が提案したアイデアが採用されると、とてもうれしいものです。また、新製品を発売するような場合には、ゼロから企画してアイデアを出す機会にも恵まれるチャンスがあります。アイデアを出して、積極的にソフトウェアを作っていくことができるというのも大きな魅力です。
ユーザーの反応が多く集まり、やりがいが持てる
自社開発なので、ユーザーの反応が直接届きやすいです。こんな機能がほしい、ここはちょっと使いにくいといった意見もあれば、とても便利になった、使いやすくていい、といううれしい反応も多く聞くことができます。
開発に携わった製品に対して、ユーザーからの反応にたくさん触れることができるので、やりがいをもって取り組むことができます。
関連記事
1.受託開発の仕事内容はどんなもの
2.Javaプログラマーの仕事内容
3.WEBプログラマーの仕事とはどんなもの?
4.PHPプログラマーの仕事内容
5.ソフトウェア開発の3つの面白さ
6.プログラマーに必要な業務知識