組み込み系・制御系プログラマーの仕事内容
電子機器を動かしたり制御するために必要なプログラムを開発する、組み込み系・制御系のプログラマーの仕事内容について、どういったものを作るのか、どんな知識が必要か、どんな言語がよく使われるか、そして将来性などをご紹介します。
家電や電子機器を動作・制御するためのプログラムを開発
身の回りにある電子機器には、小さなコンピューターが組み込まれています。そして、温度や時間などを測って機器を制御したり、必要な処理を行っています。このように、電子機器の中に組み込まれて、制御や処理を行うためのプログラムを開発するのが、組み込み系や制御系のプログラマーの仕事です。
たとえば、車やスマホ、カメラ、家電といった身の回りにあるような製品をはじめ、工場で使われるロボットや電子機器などの高度な専門性や技術性が要求されるような製品、インターネット通信を支えるインフラ製品などにプログラムを組み込んでいきます。
WEBプログラマーやソフトウェアプログラマーは、パソコンがあれば大体大丈夫なことが多いのですが、組み込み系や制御系のプログラマーは機器などのハードウェアにも触れながら開発を進めていきます。
モノづくりの醍醐味を味わえる
組み込み系のプログラマーの醍醐味は、自分が組み込んだプログラムが実際に製品となって目の前で動くところを見ることができるところです。
もちろん、他のプログラマーでも同じ経験をすることができるのですが、自分がプログラムを組み込んだ炊飯器やスマホ、自動車が街の中で利用されているところを目にすると、とても感動的です。世の中に貢献している、文化を支えているという実感があります。電気屋さんを歩くのが楽しくなったり、友達に自慢したりなど、うれしい面がいろいろあります。
まさにモノづくりの醍醐味と言えます。
製品の品質、安全性を意識しよう
組み込み系や制御系のプログラムというのは、機器を動かすためになくてはならないものです。単に機器が動けばいいというだけではダメで、その機器を使うユーザーがいることを常に意識し、安全にそして確実に機器が動作することに最善を尽くす必要があります。
プログラムに少しでも間違いがあれば、その機器は正しく動作しません。また、制御プログラムがおかしいと、発熱や発火につながるようなことも起こりえます。不良品として回収されてしまうことになってしまいます。そして、製品の品質が悪いという評価を受けてしまいますし、事故が起こってユーザーが怪我をするような事態になってしまうと大変ですよね。そうならないように、十分に注意して設計・プログラミング、テストを行う必要があります。
また、大きな設備やロボットなどを動かすためのプログラムに不具合があれば、その設備や工場などが停止されるなど、広い範囲に影響が及びます。経済的な損失につながる恐れもありますので、細心の注意を払って開発に取り組む必要があります。
組み込み系・制御系のプログラマーは、開発の段階から常にその機器を使うユーザーのことを意識するようにしましょう。
C/C++、アセンブラなどの言語がよく使われる
機器に組み込んで制御するプログラムの開発によく使われる言語は、C/C++やアセンブラ、Javaなどの言語があります。特にC/C++は非常によく使われています。
C/C++は非常に高速に動作しますし、機器の制御も行いやすいです。無駄な処理がないので、プログラムのサイズも小さくなり、プログラマーが意図した動作だけを実行することができます。特に小さな機器に組み込む場合には、プログラムを実行する環境に制限がかかるので、なるべくサイズが小さいプログラムが必要で、無駄のないものが求められます。
また、高速に動作するので、即応性が求められるような機器や高いスループットが要求されるような機器とも相性が良いです。
ハードウェアの知識も必要
組み込み系のプログラムは実際に機器に組み込まれてはじめて動作します。つまり、機器との連携が重要になります。
そのためにはプログラムの知識に加えて、ハードウェアの知識も必要になることが多いです。たとえば、ハードディスクレコーダーの組み込みプログラムを開発するような場合を考えてみましょう。ハードディスクレコーダーはテレビとの接続にHDMIを利用しますが、この信号を管理・制御するためにはHDMIの仕様についての理解が必要になります。このように、開発対象となる機器がつながるハードウェアや、機器の内部で互いに関連しているハードウェアに対する知識が必要となります。
もちろん、最初からそのような知識を持っている人は稀ですので、会社に入ってから覚えれば大丈夫です。
IoTの発展で今後の需要増が予想される
最近よく聞くようになったのがIoTという言葉です。Internet of Thingsの頭文字をとったもので、モノをインターネットにつなぐことによって情報が得られたり、モノを制御したりすることが可能になります。
そのため、機器を制御するための新たな需要が増えることが見込まれています。IoTで機器のセンサー情報を取得したり、動作を制御したりするなど、大きなムーブメントが起きつつあります。
今後、様々なところで組み込み系・制御系のプログラマーの需要が増えていくことが予想されています。
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