プログラマーが持っていると就職・転職に有利な専門性
プログラマーが持っていると価値が高まるものの一つに専門性があります。専門性といっても幅広いのですが、ここでいう専門性とは、単にコード(プログラム)を書くことができるとか、パソコンの使い方やツールの使い方ができるといったこと以外に、特定の学問分野や技術に精通しているという意味になります。
プログラミング技術に加えてこの専門性を持っていると、プログラマーやSEとして非常に重宝されるようになります。
どのような専門分野があるか?
では、いったいどのような専門分野があるでしょうか。IT業界は非常に幅広いので、すべてを網羅することは難しいかもしれませんが、一例をあげるとすると、医療や薬学、バイオロジー、統計といった学問分野の知識であったり、ビッグデータの処理や自然言語解析などの情報分野の知識や経験といったものが挙げられます。
このような専門分野を持っていると、未経験であっても就職や転職の際に有利に働く場合があります。
たとえば、大学時代に薬学を専攻して、薬品や医療に関するシステムやソフトを作る会社にプログラマーやSEとして就職・転職する場合には、プログラミングが未経験であったとしても採用される可能性が非常に高くなります。
最近だと、非常にたくさんのデータの中から意味のある情報を抽出してくるビッグデータの解析分野がとても流行しています。統計学などの手法を駆使して解析していきますが、これまでに統計解析を使ったことがあったり、データ・マイニングの経験があるなどすると、非常に重宝されます。
他には、生物や医療のデータをもとに解析を行ったりするバイオインフォマティクスと呼ばれる業界も需要があります。大学などの研究機関や製薬会社の研究部門で活躍することができると思います。
なぜ専門性があると就職・転職に有利なのか?
一般的に、プログラムを書くことができる人材というのは多くいますが、プラスアルファで専門性を持った人材というのは少なくなっていきます。たとえば、Javaが書ける人は多くいますが、これにプラスして統計解析がわかる人はだいぶ少なくなります。さらに、生物学もわかる人になっていれば、バイオや医療の分野で活躍できる数少ない人材になれることがお分かりいただけるのではないかと思います。
このように、専門性があると非常に希少価値が高い人材になれるチャンスがあります。他にできる人がいないので、給料が高くなる可能性も増えます。
また、別の理由として、なぜ未経験でもプログラマーとして採用されるか?のページにも書きましたが、プログラミングというのは未経験で始めたとしても、1年くらいで結構できるようになります。もちろん、人によって進度は違いますが、長くても2〜3年あればおおよそ書けるようになる人が多いです。
ただ、実務において大事なのは、「どういうシステムを作るかを理解して、それをプログラムに落とし込む」といったことや、「顧客やユーザーの要望を理解してプロジェクトを進める。顧客と対話する。」、「SEの話や仕様書を理解する」という部分です。これらの部分がとても大切です。
専門的なシステムやソフトを開発する会社でプログラマーとして働く場合、顧客やSEと会話をする時には飛び交う専門用語を理解しなければなりません。プログラムを書けたとしても話がわからなければ、どんなシステムを作っていいのかがわかりません。また、得られた結果やできたシステムを評価できなければ意味がありません。
このような専門的な知識というのはプログラミングを身につけるよりも難しく、時間がかかります。プログラミングができる人が後から専門的な知識を身につけるよりも、専門的な知識を持った人がプログラミングを覚える方が、早く戦力になります。
その分野にどっぷりとつかったことがある人の方が、ポイントを的確に押さえられ、開発時に交わされる顧客やSEとの会話も正しく理解できることが多いです。このため、専門性を活かした開発を行っている会社によっては、専門性を備えた人材をまず集め、プログラミングを教育することによって戦力としているところもあります。このような理由があるため、プログラミングが未経験であったとしても、専門性を持っていると採用されるということになるのです。
専門的な分野を持っていると、普通にプログラムを書くことができる人よりも一歩先を行くことができるようになります。プログラムは誰でも書けるようになるのであれば、専門的な分野を持っている人の方が重宝されることは想像できるかと思います。
専門的な分野で活躍できるが、対象となる企業は少なくなる可能性もある
専門性を持つ人は他の一般的なプログラマーとは違って、専門的な分野で活躍できる可能性があります。たとえば、JavaやPythonといった言語が使えることに加えて、バイオロジーや薬学の知識があるのなら、製薬会社で薬の開発研究を行うインシリコ創薬に携わることができる可能性が高くなります。
また、プログラミングと統計解析の知識があれば、ビッグデータの解析を行う企業に転職するということも可能になってきます。マーケティングの分野で解析チームに所属するということも可能になるでしょう。
専門性があると、このようなハイレベルな仕事ができるようになって給料も高くなる可能性があり、とてもうれしい思いができるかもしれません。
ただ、気をつけないといけないのは、これらの専門性を活かせる求人の数が必ずしも多いとは限らないということです。
専門的な分野というのは必ずしもマーケットが大きいとは限らない場合も多く、仕事の数も制限される場合があります。つまり、その専門性を活かした仕事を業務にしている企業の数が少ない可能性があります。たとえば、スマホのアプリやゲームを開発している会社はとてもたくさんあるのですが、バイオや医療向けのソフトやシステムの開発を専門に行っている会社というのは、スマホアプリの会社に比べると数が少ないです。
逆に製薬の分野ではコンピューターを用いた創薬をやっている企業はあるのですが、表に出てくる求人数が少ないという場合もあります。
高い専門性を持ったプログラマーというのは非常に価値が高いのですが、通常の方法で働き口を見つけるのは難しい場合もあり、非公開求人を多く扱っているような転職エージェントを使って求人を見つけるのがいいかもしれません。転職エージェントについては、プログラマーに転職するならエージェントを活用しようのページにまとめていますので、ご参照ください。
ただ、専門性を活かしたプログラミングというのは、ほかの誰にも真似できないようなエキサイティングな仕事ができる可能性があります。
大学時代やこれまでの経験を振り返ってみて何か活かかせそうな専門性があるなら、プログラミングという技術と組み合わせることによって、より価値の高い結果を生み出すことができる仕事に巡りあえるかもしれませんね。
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